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NHKより
南鳥島海底に大量のレアアース
6月28日 19時22分
ハイテク製品に欠かせず、現在、中国が独占的に供給している、希少な金属「レアアース」が、日本の排他的経済水域にある南鳥島近くの海底に多く存在していることが、東京大学の調査で分かりました。
日本の経済水域でまとまった量のレアアースが確認されたのは初めてで、埋蔵量は国内の消費量の220年分余りに上るとみられています。
日本の経済水域でまとまった量のレアアースが確認されたのは初めてで、埋蔵量は国内の消費量の220年分余りに上るとみられています。
東京大学の加藤泰浩教授の研究グループは、海底の火山活動で放出される熱水がレアアースを吸着しやすいことに注目し、太平洋の海底で採取された泥の分析を4年前から進めてきました。
その結果、日本の排他的経済水域にある南鳥島近くの水深5600メートルの海底の泥に、ハイブリッド車のモーターに使われる「ジスプロシウム」や、液晶テレビに使われる「テルビウム」などのレアアースが高い濃度で含まれていることが分かりました。
研究グループによりますと、こうした泥は少なくとも1000平方キロメートルの範囲に広がっているということで、濃度や面積などから国内の消費量の227年分に当たる680万トンのレアアースが存在すると推計されています。
日本の排他的経済水域の海底でまとまった量のレアアースが確認されたのは今回が初めてで、研究グループは今後、国内の企業と共に採掘に向けた取り組みを進めることにしています。
海底のレアアースを巡っては、去年、太平洋に陸上の埋蔵量の800倍のレアアースが存在する可能性があることが明らかになりましたが、公海の海底にあるため、採掘には国際調整が必要となっていました。
調査に当たった東京大学の加藤教授は、「レアアースが見つかった場所が日本の経済水域だということは、自国の資源として開発できるという意味で非常に重要だ。実際に資源がどのように存在しているか、すぐに調査を行うべきだ」と話しています。
その結果、日本の排他的経済水域にある南鳥島近くの水深5600メートルの海底の泥に、ハイブリッド車のモーターに使われる「ジスプロシウム」や、液晶テレビに使われる「テルビウム」などのレアアースが高い濃度で含まれていることが分かりました。
研究グループによりますと、こうした泥は少なくとも1000平方キロメートルの範囲に広がっているということで、濃度や面積などから国内の消費量の227年分に当たる680万トンのレアアースが存在すると推計されています。
日本の排他的経済水域の海底でまとまった量のレアアースが確認されたのは今回が初めてで、研究グループは今後、国内の企業と共に採掘に向けた取り組みを進めることにしています。
海底のレアアースを巡っては、去年、太平洋に陸上の埋蔵量の800倍のレアアースが存在する可能性があることが明らかになりましたが、公海の海底にあるため、採掘には国際調整が必要となっていました。
調査に当たった東京大学の加藤教授は、「レアアースが見つかった場所が日本の経済水域だということは、自国の資源として開発できるという意味で非常に重要だ。実際に資源がどのように存在しているか、すぐに調査を行うべきだ」と話しています。
日本のレアアース調達の現状は
「レアアース」はハイテク産業に欠かせない重要な資源ですが、アメリカ地質調査所によりますと、世界の生産量の97%を中国が占めています。
その中国の最大の輸出国は、ハイブリッド車や液晶テレビの製造などで年間3万トンのレアアースを必要としている日本です。
おととし、中国が、環境保護などを理由に輸出量を前の年より40%減少させたことや、尖閣諸島沖で起きた中国漁船の衝突事件のあと、輸出が滞ったことなどから、日本企業には強い懸念が広がりました。
このため、日本では中国以外のレアアースの調達先を探す動きが進んでいて、去年3月にはオーストラリアで大規模な鉱山の採掘権を獲得したほか、ことし5月にはカザフスタンとも協力を強化することで合意しています。
その一方で、アメリカ地質調査所によりますと、世界の陸上にはおよそ1億1000万トンのまだ採掘されていないレアアースが存在するとみられ、国別の埋蔵量は、中国が48%、カザフスタンなど旧ソ連の諸国が16%、アメリカが11%などとなっています。
さらに去年7月、東京大学の加藤泰浩教授の研究グループは、太平洋の海底の泥に大量の「レアアース」が存在していることを突き止め、その埋蔵量は陸上の800倍に上るとみられています。
レアアースの安定供給には調達先の多角化が課題となっていて、今回発見された南鳥島近くの海底のレアアースは、日本が自国で採掘できる資源として注目されます。
その中国の最大の輸出国は、ハイブリッド車や液晶テレビの製造などで年間3万トンのレアアースを必要としている日本です。
おととし、中国が、環境保護などを理由に輸出量を前の年より40%減少させたことや、尖閣諸島沖で起きた中国漁船の衝突事件のあと、輸出が滞ったことなどから、日本企業には強い懸念が広がりました。
このため、日本では中国以外のレアアースの調達先を探す動きが進んでいて、去年3月にはオーストラリアで大規模な鉱山の採掘権を獲得したほか、ことし5月にはカザフスタンとも協力を強化することで合意しています。
その一方で、アメリカ地質調査所によりますと、世界の陸上にはおよそ1億1000万トンのまだ採掘されていないレアアースが存在するとみられ、国別の埋蔵量は、中国が48%、カザフスタンなど旧ソ連の諸国が16%、アメリカが11%などとなっています。
さらに去年7月、東京大学の加藤泰浩教授の研究グループは、太平洋の海底の泥に大量の「レアアース」が存在していることを突き止め、その埋蔵量は陸上の800倍に上るとみられています。
レアアースの安定供給には調達先の多角化が課題となっていて、今回発見された南鳥島近くの海底のレアアースは、日本が自国で採掘できる資源として注目されます。
利用するには新たな技術が必要
今回、日本の排他的経済水域の海底で見つかったレアアースを、引き上げて資源として利用するには、新たな技術開発が必要です。
レアアースが見つかったのは、水深5600メートルの海底。
研究グループによりますと、この深さから資源を引き上げた実績は世界でも確認されておらず、今から30年余り前にドイツの鉱山会社が水深2000メートルから資源を引き上げた例がある程度です。
しかし、今回の研究にも参加している日本の海洋開発会社は「海底の油田から原油を引き上げる技術を応用すれば、深海の底であっても泥を引き上げる技術の開発は十分に可能だ」と説明しています。
この会社によりますと、泥を吸い込んで採取する新たなシステムを開発したうえ、独立行政法人海洋研究開発機構が所有する海洋資源の探査船「ちきゅう」に搭載できれば、1日1万5000トンもの泥を引き上げることが可能だということです。
研究グループでは、今後、こうした資源の引き上げ技術を確立するための試験の実施を、国に求めていきたいとしています。
レアアースが見つかったのは、水深5600メートルの海底。
研究グループによりますと、この深さから資源を引き上げた実績は世界でも確認されておらず、今から30年余り前にドイツの鉱山会社が水深2000メートルから資源を引き上げた例がある程度です。
しかし、今回の研究にも参加している日本の海洋開発会社は「海底の油田から原油を引き上げる技術を応用すれば、深海の底であっても泥を引き上げる技術の開発は十分に可能だ」と説明しています。
この会社によりますと、泥を吸い込んで採取する新たなシステムを開発したうえ、独立行政法人海洋研究開発機構が所有する海洋資源の探査船「ちきゅう」に搭載できれば、1日1万5000トンもの泥を引き上げることが可能だということです。
研究グループでは、今後、こうした資源の引き上げ技術を確立するための試験の実施を、国に求めていきたいとしています。